水素やホウ素といった軽い元素は、一般的な元素分析法では正確に量を測ることが難しく、分析結果に大きな不確かさが生じます。たとえば、同じ試料を装置A、装置B、装置Cで分析しても、それぞれ異なる値が出てしまうことがあります。
このままでは、世界中の研究機関で得られるのは「相対的な値」だけで、共通の基準となる比較可能な“定量値”がわかりません。
そこで私たちの研究では、原子炉から放出される“中性子”を活用し、より正確な定量分析の基盤をつくっています。
一般的な分析法は、材料中の“電子”が関わる反応を利用して元素濃度を測るため、不確かさが大きくなりがちです。一方、“中性子”を使うと、材料中の“原子核”が関わる反応から濃度を求めることができ、原理的に分析の正確さ(確度)が高くなります。
この方法は「即発ガンマ線分析」と呼ばれますが、実際に材料分析を行える施設は世界でも数か所しかありません。
私たちは、日本が誇る“世界トップレベルの分析技術”を材料研究に応用し、世界中で得られる分析値の信頼性を高めるための標準試料や新しい分析手法の開発に挑戦しています。




























