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オーストラリア留学記~有意義な一年、次の挑戦の一歩目~

工学部応用化学科 4年山根 舞香 さん

留学先:クイーンズランド大学

派遣期間:2025年2月~2025年11月

 

学部3年生の終わりからおよそ1年間、オーストラリアのクイーンズランド大学に交換留学しました。今回は留学に挑戦することになったきっかけや体験、そして成長についてお話させていただきます。

私にとって初めての海外経験は学部1年生の終わりに工学部短期留学プログラムELEPに参加したこと。たった2週間の滞在だったのでもっと長く居たい、もっと現地のコミュニティに入り込んで海外につながりを作りたいと思い長期留学を考え始めました。ところが留学によって九州大学では1年留年することになるため、正直不安や友人と一緒に時間を過ごせないことへの名残惜しさなどもありました。しかし九大の先輩や教員の方々、周囲の人たちに背中を押してもらったおかげで、せっかく1年間を費やすのならいっそ有意義なものにしようという前向きな原動力として捉えなおすことができ、今ではそれ以上の価値ある時間を過ごせたと胸を張って言えるほどです。

私が通っていたクイーンズランド大学のセントルシアキャンパスは蛇行するブリスベン川のほとりに位置しています。キャンパス内には大きな湖があり湖畔は緑や花々で囲まれ、日本では見たことのない大きさや色合いの鳥やトカゲが手の届きそうなほど近くにいて自然を満喫することができます。ストレスが溜まりがちな課題や試験期間中も、屋外のベンチや机で勉強をして気分転換をすることもありました。普段ストレスで体調を崩しがちな私にとっては、こうしてこまめに肩の力を抜く時間は欠かせないものでした。授業終わりはキャンパス内にあるコートでビーチバレーやテニスをし、友人との交流も図りながら身体を動かしました。おかげで体調を崩すことなく学業に集中することができ、日本では疎かにしていたストレス対処がタスクパフォーマンスを向上させるためにどれほど重要か痛感しました。そして限られた時間、資金、エネルギーをいかに有意義に使うかも真剣に考えるようになりました。

現地の大学では専門分野の物質化学はもちろん、マーケティングや栄養学、食品化学などの授業も履修しました。ほとんどの授業はワークショップや実習が組み込まれていたため、ディスカッションやプレゼンテーションの機会も多くあり能動的に学ぶ姿勢が身に付きました。初めは慣れないアクセントやスピードの英語での授業やディスカッション、大量の文献調査や課題に苦戦し折れそうになったこともありました。しかし現地の学生たちの学びに貪欲な姿勢や一緒に勉強してくれた仲間、教員の方々の厚いサポートに助けられたおかげで乗り越えることができ、素晴らしい成長機会になりました。

学業以外ではキャリアイベントや交流会、クラブ活動などに参加し、そこで出会った人たちの生き方や働き方に触れたことで、今後のキャリアの築き方のヒントを得ることができました。特にオーストラリアの社会人と学生の交流会は印象的で、どの方も自身の仕事に誇りを持ち、楽しんでいると胸を張って語っていた姿に感銘を受け、ワークライフバランスの重要性も強く感じました。そして年齢に関係なく学び続ける方に多く出会い、キャリアの選択肢の多様性も知ることができました。驚いたことに多くの方々が日本に好意的な印象を持ってくれていて(もちろん私が日本人であるからということもあるかもしれませんが)こちらから話を振らなくても日本の文化や人々の素晴らしいところを次々と熱く語ってくれたことは嬉しく誇らしかったです。ELEPでアメリカに行って日米の産業の体力差を目の当たりにしたときは、近年の日本の労働、経済、社会状況を鑑みると、日本の将来に対して少し残念な、諦めに近い感情を抱かざるを得ませんでした。ところが今回留学を経て世界でも高い評価を得ている日本の良さに改めて気づき、守っていきたいと強く感じるようになりました。
この1年間で得られたつながりや価値観、語学力、スキルはこれからも一生の宝ものになると確信しています。この海外経験とこれから身に付ける専門知識を組み合わせて私だからこそできる方法で貢献したいと考えられるようになりました。留学は、海外経験への憧れといった小さな動機から始まり、最終的にどのように社会貢献できるのかを考えるレベルまで急速に昇華できる機会だと思います。一人でも多くの方が実りある経験ができることを願っています。